"食のあるべき姿を追求"するべく、漁師や生産者と直結し"今朝獲れ""神経〆"の付加価値高い鮮魚や未利用魚を積極活用する鮮魚居酒屋「四十八漁場」の最旬情報をお知らせします!
大分県佐伯市米水津の「黄金イワシの丸干し」水産加工業の"あるべき姿"に想いを馳せ、3月より定番メニュー化
人口2000人弱の小さな集落の大分県佐伯市米水津(ヨノウヅ)は、90年代にはたった19業者でイワシやアジの丸干し生産量日本一になるほど、干物加工で賑わった地域です。
かつては保存食、現代では魚をおいしく食べる方法のひとつとして親しまれ続ける干物は、消費側にとっては日常的に店先でもよく見かける商品のため、まさか生産地が先細りの道を行っているなどということはあまり知られていません。
しかし様々な事情から魚食文化自体が継承されにくくなっている昨今、米水津においても残る15業者が、狭まる干物の購買枠にひしめき合い、品質に見合わぬ低価格で競争せねばならない現状に苦しんでいます。
その米水津でも群を抜いた良品を作り続けるマルサン商店さんとご縁をいただき、四十八漁場の「本日のおすすめメニュー」の中で「黄金イワシの丸干し」を昨秋よりご紹介しております。
"長年の技で生の時に比べよりうまく(美味く)仕上げています"と作り手自ら豪語するその丸干しは、イワシの良いところがすべて引き出されているかのようにハラワタも頭もおいしい、素晴らしい商品です。
しかし、お取引に際しこの丸干しを試食した当社の担当者は、その美味さに感動すると同時に提示価格の低さに愕然としました。海洋資源の持続可能性を追求しようとする私たちですが、水産加工業者の具体的な悩みにはまだまだフォーカスできていなかったことを、この出会いにより気づかされたのです。
良いものが正当に評価されにくい、今日の消費を取り巻く現状を打破する必要性を「黄金イワシの丸干し」に見ることとなり、水産加工に支えられる小さな集落に革新の風が吹くよう願いを込め、この商品の当社の取引価格を引き上げることに決めました。
流通担当は言います。
「価値あるものは適正価格で世の中に広められるべきでしょう。宮脇さんのこだわり、米水津の伝統技術。魚食の未来において、決して消えて良いものではありません。」
おかげ様で、その価値は多くのお客様に伝わり支持を受け、来月より"本日のおすすめメニュー"からグランドメニューの中に入ることとなりました。
当社にとって商品のグランドメニュー入りは、常時ご提供できる数を確保し、より積極的に商品を推していくという、覚悟と意気込みの表現です。
この、本当においしい商品が四十八漁場を通じて知られるようになり、マルサン商店を皮切りに米水津の再発展や技術の向上や継承につながって、魚食の未来も明るいものとなるように。
そんな思いを込めて、今日も「黄金イワシの丸干し」をご提供いたします。
収穫しただけ、生成りの「早採りワカメ」(陸前高田)に卓上で熱々のお出汁をかけてご提供します
1年で最も気温の下がるこの季節、三陸地方のワカメ生産者は2か月後の収穫に向け、間引きの作業に追われます。厳しい寒さに耐えながら、細い茎や密集した株を見極めて剪定。その、間引いた若い芽の中から質の良いものを選り分けて、四十八漁場に届けていただいています。
海から引き揚げられた"生成り"のワカメは、この時期にしか味わえない、柔らかな葉とシャキシャキした茎が絶品です。目の前で熱い出汁をかけて完成させるこのお通しは、ファンのお客様からお問い合わせをいただくほどの人気商品です。
今年は例年より成育が少し遅く、2月いっぱいのご提供予定です。
生産者さん渾身の「早採りワカメ」を、ぜひお召し上がりください。※なくなり次第終了
素晴らしい素材を無駄にはさせない!強すぎるこだわり故に出る規格外の枝豆を、リスペクトの気持ちを込めてデザート開発
驚くべきこだわりに裏打ちされた品質とおいしさに惚れ込み、昨年から取引を開始した小池喜左衛門ファームは、山形県鶴岡市の土と気候でしか育たないというデリケートな枝豆、「だだちゃ豆」を生産する農家です。濃い香りと味わいにおかわりのご注文をいただくこともしばしばで、昨シーズンは初年度に関わらず、1トンもの提供となりました。
この喜左衛門ファームは、本当の「だだちゃ豆」の価値を伝え、土地の特産物を継承したいという強い思いから、生産者で括らず加盟者の青果をまとめて出荷する手法を取るJAには委託せず、個人でブランディングしていく道を選び、厳しすぎるほどの独自規格に則って生産・出荷をしている農家です。ちょっとでも厚さ・長さが不足する物は商品から除外するなどの、徹底した管理を行って品質をコントロールしています。
しかしこの品質担保の代償に、沢山のロスが発生してしまっていたのも事実。
この悩みを喜左衛門さんから聞いた私たちは、ロスとなる規格外の「だだちゃ豆」を活用する方法をデザートの開発に見出しました。鮮度が命の「だだちゃ豆」を収穫後すぐに冷凍保管してもらうことで、"旬の美味しさ"を楽しんでいただける商品を誕生させることができました。
左衛門ファームから出るロスの「だだちゃ豆」をすべて当社で引き受ける計画を立て、前期の収穫分をこの春から一部店舗で販売し、今年の夏の収穫分から本格的にこのプロジェクトを開始。今年の冬から四十八漁場でも定番化していく狙いです。
「だだちゃ豆」本来の甘さと香りを引き立たせたずんだ餡を、モチモチの白玉にのせてご提供いたします。
日本の食文化の継承と発展は、漁業の保存だけでは成立しません。私たちは鮮魚居酒屋を運営しながら、素晴らしい取り組みをしている生産者、加工業者を応援できるよう、これからも活発に情報収集をし、連携に取り組んで参ります。
第5回「漁協の寄合」漁師が消費者に直接プレゼンテーション!生産・消費・流通を直に繋げる、学びと食のイベント
「料理は船の上から始まっている」
当社に届く鮮魚は、漁師・生産者の並々ならぬ努力と工夫が込められたものばかり。
お客様にご興味を抱いていただくために、また、スタッフも忘れることがないように、メニューブックの表紙やお店の壁などに書き記しているメッセージです。
知った上で食べることは、海や漁業の持続可能性に繋がっていくことであると考え、生産者の想いや抱える問題、工夫を聞いたりちょっとした"漁業体験"をするワークショップと、登壇者の手掛けた素材を使った料理を楽しむことができる、「漁協の寄合」と題したイベントをお客様に向けて実施しております。
第5回目は、自らを「牡蠣バカ」と称し、牡蠣好きを唸らせる「米崎牡蠣」を生産する、佐々木学氏を招きます。出回り時期が近くなると、入荷日を尋ねられるほどの牡蠣は、どうやって作られているのか。軽妙な語り、牡蠣剥き体験と共に「米崎牡蠣」の料理をお楽しみいただけます。
実施日:2020年3月7日(土)
時 間:18時~21時
参加費:お一人様5,000円(税込)
会 場:四十八漁場 山王パークタワー店
住 所:東京都千代田区永田町2-11-1
山王パークタワー B1
「四十八漁場」の"四十八"は、かつてアメリカの科学雑誌「サイエンス」に発表された"2048年には天然の魚介類が獲れなくなる"という専門家の調査結果を店名に冠したもので、「2048年以降も、この日本で美味しい魚が食べられますように」という願いを込めています。
海洋資源の持続可能性について想いを同じくする産地や漁師から、今朝獲れ、神経〆や徹底的な血抜などを施した付加価値高い鮮魚などを直接仕入れることで、「居酒屋から漁業を創造する」という気概で日々魚と向き合っています。
展 開:関東近郊に20店舗、なきざかな、魚米など他7店舗
URL :http://www.48gyojyou.com/