食材のご紹介
鹿児島黒牛
日本では幕末から明治維新にかけて本格的な肉食文化が幕を開けました。鹿児島でも当時羽島牛・加世田牛・種子島牛などが栄えており、これらの牛に鳥取・兵庫などの和牛をかけあわせ、改良に改良を重ねて生まれたのが、「鹿児島黒牛」です。
現在では全国一位の和牛・黒毛和種の生産県となった鹿児島。「鹿児島黒牛」は、きめ細かく柔らかい肉質にバランス良く織り込まれた、不飽和脂肪酸と呼ばれる融点の低い霜降りが織りなすとろけるような食感と、繊細ながらもしっかりとした肉と脂の旨みが特徴のブランド牛です。
09年九州管内系統和牛枝肉共励会では、各県選りすぐりの136頭中、審査員全員一致で「個人の部・金賞」を獲得。さらに、団体優秀賞・団体努力賞も受賞しました。その歴史と味わいは、畜産王国鹿児島の誇りとなっています。
和牛とは、日本古来の食肉専用牛のことで、黒毛和種、褐毛(かつげ/あかげ/かつもう)和種、日本短角種、無角和種の4品種が「和牛」として認められています。ちなみに、国内で飼育される和牛の90%以上が黒毛和種です。黒毛和種の中には鹿児島黒牛のほか、松阪牛・近江牛・神戸牛などの有名銘柄牛も含まれます。
「国産牛」とは一般的に、和牛以外の国産牛肉のことを示します。交雑種(乳用種と和牛の組み合わせ)、ホルスタイン種の他、アバディーンアンガス種、ヘレフォード種などの外国種も含まれます。外国種や輸入牛も、3ヶ月以上国内で肥育されると「国産牛」となり、さらに牛肉として生産される(屠殺)場所が国内であれば、輸入牛であっても全て「国産牛」となります。
市場では「国産牛」が「和牛」に比較して格下に位置付けられているため、和牛品種を「国産牛」表記で販売することは、まずありえません。逆に、「黒毛牛使用」など、和牛品種の名前に似せた表記が使用される場合がありますが、このケースで使用されている品種は外国種の黒毛牛、つまり「和牛ではない黒毛牛」であることが多いのが実状です。