蔵元のご紹介
宮崎県田野町 渡邊酒造場
宮崎市街地から車で25分。標高1118mの鰐塚山(わにつかやま)のすそ野に広がる田野町は、豊かな緑と済んだ空気、鮮烈な水系がもたらす清らかな水が自慢で、肥沃な大地が育む季節の野菜や果物が豊かに生産される町です。田野町市街地のちょうど入口にある渡邊酒造場は大正3年に創業。「焼酎造りは農業の一端」という考えから、造りはもちろん、原材料の芋を育てる農作業まで、基本的には家族4人で行っています。
4代目の杜氏である渡邊幸一郎さんは現在33歳。「昔はみんな自家栽培の芋でつくるのはあたりまえだったんですよ。だから特別なことだとは思っていません。祖父がうちの蔵の味を生み出し、父がそれを守り続けた。いいものを造り続ければいつかは認められる・・・その信念が実を結んだんだと思っています。自分もその本質を変えることなく成長していきたいです」と話します。
その味で多くの人を魅了し、売上を伸ばしてきた渡邊酒造場ですが、現在はピーク時よりもあえて製造石高を減らしているといいます。「量よりも質が優先ですから」という自分の言葉に照れた様子を見せつつ「食べていければいいや。という感じですかね。宮崎の人間は、商売が下手なのかもしれません。毎日“あたりまえ”をやるのが仕事だと思ってますから」と、その人気とは裏腹な言葉から、欲のない、職人気質なつくり手であることが伺えます。
有限会社渡邊酒造場
住所:宮崎市田野町甲2032-1